悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
ヴァレンティーナの後ろにいた令嬢達が、お揃いの縦て巻きロール髪を体ごとぷるぷると震わせて涙を浮かべる。

「きっと、わたくし達のしたことを、ずっと気にされているのですわ」

「改めてご提案をした際、あの方は、『自分は元々強い体ではない、大事な役目であればあるほど相応しくないだろう』と、まるで自分を責めるように身を引いてしまったのです」

「とても傷つけてしまったのかもしれません。謝罪してもしきれませんわ」

――大事な役目であるほど、自分には相応しくない。

アメリアは、それを口にした時のミッシェルを想像して胸が締め付けられた。直感的に、それは彼女達のせいではないような気がした。

他に何か、彼女をとても悩ませていることがあるのだろう。

体が弱く長らく外出できなかった期間が、ミッシェルにそう言わせているように思えた。アメリアは、ミッシェルの力になりたかった。

「ヴァレンティーナ様、どうか泣かないでください。何か、他にご事情があるのかもしれません。私、ミッシェル様のために頑張りすわ」

アメリアは決心のもと、気遣う声をかけた。

その時、ヴァレンティーナ達がハッと涙を止めた。自分達が泣いているのを今になって気づいたのか、今度は恥ずかしさにぷるぷると赤面していく。

先程のツンケンした様子を思い返したアリメアは、なんだか嫌な予感がした。

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