悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
表情を戻したミッシェルが、そっと会釈する。そのまま立ち上がろうとした彼女を見て、マティウスは止めた。
「別に気遣わなくていい。先程も、正式な挨拶をもらった。今、この場はプライベートだ。気を楽にしてもらえると嬉しいよ」
ミッシェルが、ふっと柔らかな苦笑を浮かべる。
「それでは、お言葉に甘えると致しましょう」
「ああ、そうしてくれ」
二人が見つめ合い、互いにやや苦笑するような表情を浮かべる。
ミッシェルは宰相の娘だ。どうやら第一王子マティウスとは、こうして普段の話し口調を知っているくらいには面識があるらしい。
アメリアがクラークと共に見守っている中、マティウスがミッシェルへと歩み寄った。そばにある薔薇の花弁を、愛でるように指咲で触れつつ不意に言う。
「ミッシェル嬢。君は、誰とも踊らないのかい?」
しばし、考えるような間があった。
風が通り抜けていく音がした。長い銀髪を、ゆっくりと耳にかけるミッシェルの視線は下へ向けられていた。
「そうですね。今晩は、そのような気分でもありませんので」
ミッシェルがそう答えると、マティウスが小さく笑った。
「ははっ、君は毎回そうだね」
「ふふっ、そうですね。私は、あなた相手に、毎回この返答をしているようです」
「別に気遣わなくていい。先程も、正式な挨拶をもらった。今、この場はプライベートだ。気を楽にしてもらえると嬉しいよ」
ミッシェルが、ふっと柔らかな苦笑を浮かべる。
「それでは、お言葉に甘えると致しましょう」
「ああ、そうしてくれ」
二人が見つめ合い、互いにやや苦笑するような表情を浮かべる。
ミッシェルは宰相の娘だ。どうやら第一王子マティウスとは、こうして普段の話し口調を知っているくらいには面識があるらしい。
アメリアがクラークと共に見守っている中、マティウスがミッシェルへと歩み寄った。そばにある薔薇の花弁を、愛でるように指咲で触れつつ不意に言う。
「ミッシェル嬢。君は、誰とも踊らないのかい?」
しばし、考えるような間があった。
風が通り抜けていく音がした。長い銀髪を、ゆっくりと耳にかけるミッシェルの視線は下へ向けられていた。
「そうですね。今晩は、そのような気分でもありませんので」
ミッシェルがそう答えると、マティウスが小さく笑った。
「ははっ、君は毎回そうだね」
「ふふっ、そうですね。私は、あなた相手に、毎回この返答をしているようです」