悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
そう考えれば、あの二人がゲームヒロインサイド側のストーリーではモブ扱いて、エンディングにも出てこないという謎も、腑に落ちる。

「私の知らないところで、こんなことが起こっていただなんて」

そもそも〝悪役令嬢アメリア〟はミッシェルと接点のないキャラなのだが、そんなことなど全くのノータッチで、アメリアは思う。

「こんな、こんなの……っ」

ぶるぶると震えていた彼女は、突如として興奮値がマックスをこえ、カッと目を見開いて心の中で雄たけびを上げた。

めっちゃ興奮するに決まってるじゃないのおおおおお!!!

アメリアは、感激のあまり「うっ」と溢れた目を押さえた。恋してる推しが、めっちゃ尊い。

「気高いッ、それでいて純情!!」

あの顔、ぜひブロマイドに収めたかった。悶えるアメリアの隣で、クラークがジャケットのうちポケットから、新しい眼鏡を取り出してかけた。

ミッシェルが、「ふぅ」と自分を落ち着けるような吐息をもらした。

そのまま彼女が立ち上がり、庭園の通路を歩いていって見えなくなると、アメリアはこらえきれず悶えまくった。

「あ――――っ、最高すぎる! うぅっ、クラーク様、私っ、この世界に生きていて良かったです!」

感涙するアメリアの肩を、クラークがポンっとやって支える。

「私も同感です。ハンカチをお貸ししましょう。予備で二枚持っております」

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