悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
そう思っていると、続いて部屋から出るべくエリオットが手を差し出してきた。アメリアは躊躇ったものの、にっこりと微笑まれて恐る恐るエスコートを受けた。



◆§◆§◆



エリオットに告白を受けた翌日は、心身の疲労から部屋で休んだ。

アメリアにとっては、前世を含めてもファーストキスだった。口付けをされた感触が鮮明に残っていて、混乱でまだ落ち着かなかったこともある。

あの人が私のことを好き? まさか……。

キスを思い返すたび、体温が上がってぐるぐると頭の中がいっぱいになった。兄のロバートには舞踏会疲れを心配されて、そんな自分が嫌になった。

「そうよ。こんなことで動揺してどうするの。相手は、ゲームで一番やばい溺愛の攻めっ攻めな攻略キャラだったし、……気の迷いよ」

だって彼の好みは、ゲームのメインヒロインだろう。ゲームのヒロインを見たのなら、きっと彼女と恋に落ちるに違いない。

そして、祝日を挟んだ翌日、アメリアの眼差しに力が戻った。

「経験はないけど、前世ではアラサー! キスの一つくらいなんなの。そもそも私の推しへの愛はっ、そんな個人的な悩みに負けてしまうほど軽くない!!」

よし、今日は彼女の本音を聞き出そう。

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