悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
まずい。令嬢としての皮がはがれてしまう。挙動不審になりそうになったアメリアは、自分を落ち着けるために紅茶を忙しなく口にした。
「そういえば、君も参加していたらしいと聞いたのだけれど、姿が見えなくて。もしかして先に帰ったのかい?」
アメリアは、紅茶を小さく「ごふっ」とやってしまった。
あの時、舞踏会が行われている会場の別室で、エリオットに口付けされた。口紅が少し落ちているのを彼に指摘されたら、赤面がぶり返して挙動不審になるしで、帰宅したのだ。
「えぇと、実は、殿下の婚約者としての初めての参加ということもあって、お披露目も兼ねていたようで、挨拶回りに少々気疲れしてしまったというか……」
「ああ、それは大変だったろうね」
ミッシェルは、気遣う声で言った。
「みんな、『薔薇のごとく美しい姿だった』と話して盛り上がっていたのは、そのせいだったのか。私も、そのドレス姿を見たかったなぁ」
見たかったと言われたのは嬉しい。けれど、持ちきりだった話については、ただ第二王子の婚約者として立てられているだけだろう。
そんなの、会場にいた時は全く耳にしなかった。
思い返すアメリアは、エリオットに付き合うのに必死で、そしてミッシェルのことばかり考えていたせいだとは気づかなかった。
「殿下が、あまりの美しさに君を離さず、ダンスの相手を独占していたとも聞いたよ」
「そういえば、君も参加していたらしいと聞いたのだけれど、姿が見えなくて。もしかして先に帰ったのかい?」
アメリアは、紅茶を小さく「ごふっ」とやってしまった。
あの時、舞踏会が行われている会場の別室で、エリオットに口付けされた。口紅が少し落ちているのを彼に指摘されたら、赤面がぶり返して挙動不審になるしで、帰宅したのだ。
「えぇと、実は、殿下の婚約者としての初めての参加ということもあって、お披露目も兼ねていたようで、挨拶回りに少々気疲れしてしまったというか……」
「ああ、それは大変だったろうね」
ミッシェルは、気遣う声で言った。
「みんな、『薔薇のごとく美しい姿だった』と話して盛り上がっていたのは、そのせいだったのか。私も、そのドレス姿を見たかったなぁ」
見たかったと言われたのは嬉しい。けれど、持ちきりだった話については、ただ第二王子の婚約者として立てられているだけだろう。
そんなの、会場にいた時は全く耳にしなかった。
思い返すアメリアは、エリオットに付き合うのに必死で、そしてミッシェルのことばかり考えていたせいだとは気づかなかった。
「殿下が、あまりの美しさに君を離さず、ダンスの相手を独占していたとも聞いたよ」