悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「その、告白の緊張よりも、パーティーの当日に彼と踊るのを考えたら、……不謹慎にもにやけてしまう自分がいるんだ」

つまり、第一王子マティウスとダンスできるのが、嬉しい、と。

察した瞬間、興奮でアメリアとクラークは鼻血が出そうになった。「ゴフォッ」ともれた口を、ほぼ同時に素早く押さえたのだった。



※※※



その頃、第二王子エリオットは、軍部の上層部を含めた会議が終わったところだった。いったん、自身の執務室に戻るべく足を進める。

「殿下、めでたくヒューゴ殿が婚約したそうです」

待っていた部下の一人に声をかけられた。

実は、教会視察に行かせたヒューゴが、一人の少女と出会っていた。それからよく足を運ぶようになり、エリオットも都合をきかせてやっていたのだ。

「そうか、ようやくか。付き合い出したと聞いた時は、まさか結婚まで考えるとは思っていなかったがな」

「全くですよ。でも遠くから見ても、なんだかいい感じだったんですよねぇ。あの個性的なデカい伝書鳥からの手紙も、いつも嬉しそうに見てましたし」

すると、ヒューゴの名前を聞いて、別部隊の騎士が歩くエリオットと彼の列に加わってきた。

「あの鳥、結構便利ですよね。会えない日もリアルタイムで文通のやりとりをさせていて、ヒューゴもすごく嬉しそうでしたし」

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