悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
もっと、彼女を全部を知り尽くしたい。小さな喘ぎ声一つでは、もう満足できないくらいに、エリオットはアメリアに夢中だった。

「いいだろう。兄上の方も予想よりうまく進んでいるし、向かえる者達を連れて、時間を合わせて二人に会ってやるか」

ヒューゴに知らせを出しておくように、とエリオットは部下へ指示を出した。



◆§◆§◆



ミッシェルの件はうまくいっていた。そして同時に、自分が〝薔薇君の令嬢〟として着々と、第二王子の婚約者としての評価を築いているとも知らず――。

その日、登城した当アメリアの姿は、例のサロン奥の柱の陰にあった。

「むふふっ、はぁぁああああたまらん! なんて麗しいお姿なのっ!」

鼻息を荒くし、ミッシェルの方を盗み見てはぁはぁしていた。

これから宰相室へ行く予定があるミッシェルは、緑に囲まれた小さな庭で休憩を取っていた。その手元にあるのは、父の仕事に役立ちそうな本だ。

「真面目な横顔も、素敵すぎるわ」

到着して数分、アメリアは既に興奮もピークで手も震えていた。最近は忙しくしていたから、こうやってじっくり堪能するのも久々な気がする。

今更になって気づいたけれど、周りから向けられている視線が痛い。

――けど気にするもんか。私はっ、推しへの愛を隠したりしない!

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