悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
そもそも今日、ミッシェルは宰相と付き合うためアメリアの出番はしない。しかしそんな時こそ、自分もできることを頑張ろうと本日も登城していた。

「ああっ、でもご本人を前にすると、すっごく話しかけたい。ご挨拶してお声を聞きたくてたまらない……っ」

アメリアは葛藤した。廊下を通りすぎていく若い警備兵達が、首を捻って「普通に声かければいいじゃん」と呟いたりしている。

いやだめよ私っ、今日は、我慢するっと決めたじゃない!

気持ちを固めて煩悩を振り払った。こうしてミッシェルの姿を盗み見――様子を見に来たのは、少し力が欲しかったからである。

「よしっ、充電完了!」

アメリアは、やっぱり慣れないでいる〝伯爵令嬢としての社交〟の緊張を抑え込むと、その場から離れた。



実は、今日、十代の令息グループの代表と会う予定になっていた。

令嬢達の他にも、ミッシェルの件で協力したいと令息グループや、若者で構成された派閥も名乗り出て動いてくれていた。

そんな中、ファンクラブの令嬢伝手で、新たなグループから「協力したい」と連絡を受けたのだ。

実のところ、それはアメリアの社交活動のおかげもあった。

見た目は完璧。それでいて前世の社会経験から、営業スマイルなども活かして評判も上々。今では、社交の場で話せる令嬢令息達も多くできていた。

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