悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
第一王子マティウスの方も、最近はより積極的に公務に臨んでいる。ここ一ヵ月で一層評判を増していて、やはりそろそろ婚約して頂いてもいいのではないかと、二十歳である彼の結婚についても期待感が高まっているところだ。

そう思い返して、アメリアは一人満足げに「ふむふむ」とやってしまう。そんな彼女を見て、エリオットの目が少し細められる。

「――頑張っているのは知っている。おかげで、お前の評判も上々だ」

唐突に言われて「ん?」とアメリアは疑問の声をあげる。

心当たりは全くなかったから、からかい言葉だろうかと思ってエリオットを見つめ返した。すると覗き込んでいる彼に気づいて、ドキッとした。

「な、なんですか?」

先程よりも、近いところに顔があるエリオットに心臓がばくばくする。

エリオットが、フッと大人びた笑みを浮かべた。ちらちらと見てくる者達がいるのに、内緒話でもするみたいに耳打ちしてきた。

「そうやって他の男にいい顔を向けられていると、どうにかしてやりたくなるんだけどな」

どうにかって、何!?

アメリアがそう思った時、彼が不意に真面目な雰囲気をまとった。その眼差しに動けなくなってしまうと、そっと手を取られた。

「アメリア。ミッシェル嬢の件が終わったら、今度は俺だけを見て欲しい」

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