悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
ストーリーを通してみていた限りでは、第二王子エリオットは、確かに頭が良くて無駄もない。でも、一番ヒロインに夢中になっていたのも事実だ。

後になって、一方的に自分が悪く言われてしまう懸念は潰しておこう。ここは、きちんと確認すべくアメリアは彼に声をかけた。

「殿下。この婚約は偽装のための一時契約ですし、互いに恋愛も活動も自由、ということでよろしいでしょうか?」

「そうだ。遊んでいるお前だったら婚約者の振りくらい簡単だろう。俺は、王族としての義務は心得ているが、……できれば、好きな女と結婚したい」

ふいっと視線をそらして、エリオットが後半をぽそりと言った。

攻め系だが、溺愛エンドの彼は、意外とロマンチックな願望を持っている。そこがゲームのファン達に大人気だったけれど、改めてそれを垣間見たアメリアは残念にも思った。

そのための犠牲になれと、年下の十五歳の女の子に偽装婚約を持ちかけた腹黒いところは褒められない。

だって〝悪役令嬢アメリア〟は、初めてお見合いで対面した彼に惚れたのだ。そして、もしかしたら愛されるかもしれないと期待して契約を受け入れた。

最後まで彼を慕っていたことを考えると、ヒロインが現われた後の冷たい態度と、トドメの仕打ちはひどいだろう。

――まぁ、三十代だった私の感想だけど。

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