悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
溺愛がすぎる。勘弁してくださいと思って、アメリアは逃走すべくソファから立ち上がろうとした。

「こら、逃げるな」

あっと思った直後、そのままエリオットの方へ引き寄せられていた。腕の中に閉じ込められて、アメリアはドキドキが高まった。

「あ、あの、離してください」

「どうして? こうしている方が、存在感を感じられて俺はいい」

より、ぎゅっと抱きしめられてしまって、アメリアはエリオットの鼓動と胸板のたくましさまで感じた。

「アメリア、あの時みたいに、俺の名前を呼んで」

耳元で甘く囁かれ、頭の横キスをされた。

あまりにも恋人っぽい空気が漂っているから、初心なアメリアはそれに抗うことができなかった。

「エ、エリオット。恥ずかしいから、もう、離して」

「じゃあ少しゆるめるから、こっちを見て」

「え? なんでですか?」

言われるがまま、きょとんと視線を上げた直後、アメリアはエリオットに唇を奪われた。

二人しかいない室内で、唇を重ねる二人の呼吸音がした。すぐに口づけは深くなって、官能的な水音を立ててぬるりと熱い舌同士を擦り合わせている。

「……ンン、ぁっ……んぅ」

< 228 / 230 >

この作品をシェア

pagetop