悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
アメリアは、うーんと自分のスドレスに目を落とした。
「でも、本心ですよ。実は昔から、一度でもいいから結婚してみたいなぁ、とは思ってもいたんです」
「『思っていた』?」
疑問視するように言葉を繰り返されて、ハッと我に返った。
それは前世での話だ。同棲ってどんな感じなのかしらと、同僚と話していてちょっとだけ気になったり、結婚を羨ましく思った時期もあって――。
でも結局、全部叶わなかったのだ。
よくは覚えていない。最後まで、自分は幸せだった気がする。友達と推しの話で盛り上がったり、イベント本を作ったり、会社でも元気に走りまわっていた。
それでも、心残りのような寂しさを一点、覚えていた。
『結婚かぁ……いいなぁ』
初めて出席した友人の結婚式で、周りの人達と一緒になって祝福の拍手を送りながら、自分がそう呟いた声が耳元で蘇った。
「アメリア嬢?」
過去に引きずられそうになった拍子に、名前を呼ばれてドキリとした。
そういえば、さっきのことを言い訳するのを忘れていた。アメリアは見つめているエリオットに気づくと、あわあわと慌てて弁明する。
「言葉のあやなんですっ、気にしないでください!」
「……お前、言葉使いが令嬢っぽくなくなっているぞ」
「えっ、嘘!?」
指を向けられて指摘されたアメリアは、「ひぇっ」と口元に両手をあてた。
「でも、本心ですよ。実は昔から、一度でもいいから結婚してみたいなぁ、とは思ってもいたんです」
「『思っていた』?」
疑問視するように言葉を繰り返されて、ハッと我に返った。
それは前世での話だ。同棲ってどんな感じなのかしらと、同僚と話していてちょっとだけ気になったり、結婚を羨ましく思った時期もあって――。
でも結局、全部叶わなかったのだ。
よくは覚えていない。最後まで、自分は幸せだった気がする。友達と推しの話で盛り上がったり、イベント本を作ったり、会社でも元気に走りまわっていた。
それでも、心残りのような寂しさを一点、覚えていた。
『結婚かぁ……いいなぁ』
初めて出席した友人の結婚式で、周りの人達と一緒になって祝福の拍手を送りながら、自分がそう呟いた声が耳元で蘇った。
「アメリア嬢?」
過去に引きずられそうになった拍子に、名前を呼ばれてドキリとした。
そういえば、さっきのことを言い訳するのを忘れていた。アメリアは見つめているエリオットに気づくと、あわあわと慌てて弁明する。
「言葉のあやなんですっ、気にしないでください!」
「……お前、言葉使いが令嬢っぽくなくなっているぞ」
「えっ、嘘!?」
指を向けられて指摘されたアメリアは、「ひぇっ」と口元に両手をあてた。