悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
アメリアの両親は気にしていないようだったが、途中で婚約がなくなってしまう可能性があるほど、互いが損をしないあっさりとした内容になっていた。

「短い期間で完璧に準備を整えるとは、さすが腹黒王子」

ここ数日というスピードを思い返して、改めて彼の能力を評価した。しかし、都合が良かったからと偽装婚約を持ちかけてきた第二王子だ。

悪役令嬢視点で見ると、どこに魅力が?という思いも浮かぶ。

でもメインヒーローとして一番人気はあったから、アメリアが気づいていないだけで魅力的なところがいっぱいあったりするのだろう。

「……まぁ、私にはもう、関係ないんだけどね」

彼については問題ない。アメリアは、ゲームヒロインとの恋を邪魔するつもりはないから、あとは十六歳になる前に婚約破棄をすればいいだけだ。

彼女の頭に残っているのは、心配そうにしていた国王夫妻の姿だった。

――断罪イベントで〝悪役令嬢アメリア〟に心を痛めてくれた優しい人達。つい、彼らと同じ目の色をした青い空を見つめていた。

「ごめんなさい、陛下達……私は彼の結婚相手にはならないんです」

ゲームの〝悪役令嬢アメリア〟は、王族とのパイプもしっかり築こうと交流を持ったりした。けれどアメリアは、それをしないつもりだった。

多分、自分はあの国王夫婦を好きになってしまう予感もあった。

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