悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
彼は王宮勤務だ。ゲームで〝高貴なる令嬢〟侯爵令嬢ミッシェルは、今のところ全て王宮内の登場シーンである。

アメリアは、だめもとで兄にチラリと訊いてみることにした。

「えぇと、お仕事をされている中で、お噂とか結構聞いたりしますか? たとえばその……、珍しい銀髪の令嬢の話だとか」

「珍しい銀髪の令嬢っていうと、もしかしてミッシェル嬢のことか?」

さらっと本人の名前が返ってきて、アメリアはびっくりした。飛び起きると、兄に詰め寄った。

「お兄様、あのお方を知ってるの!?」

「本人と面識はないけど、最近、その兄と話す機会があってな」

それ、一体どんな機会よ!?

アメリアは、続く兄の予想外の台詞に動揺した。侯爵家の嫡男は既に結婚し、次期宰相として仕事をこなしている偉いお方である。

ゲームの裏設定? いえ、でもそう匂わせるシーンは全くなかったわよね……。

「お兄様、一体どういうことなんですか? まさか宰相様と直接お会いする機会でもあったのですか?」

「第二王子殿下のところに部署異動を出したんだ」

「は……? え、部署移動?」

「うん。その際にたまたま居合わせて、少し時間があったから戻りがてら途中までちょっと話した」

部署移動? この人何してんの? 原作でそんなところ、なかったよね?

< 29 / 230 >

この作品をシェア

pagetop