悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
アメリアは、結局はロバートの好きにさせて笑っていた。そうして王宮への登城許可の申請を、兄経由で頼むことにしたのだった。



※・※・※



次の公務のため移動していたエリオットは、部下の一人に声をかけられて足を止めた。婚約者様から、と切り出されて顔を顰めた。

そういえば昨日、婚約が成立したんだったなと遅れて思い出した。

「それで? 一体何用だ?」

「登城許可の申請が届いております」

昨日の今日で?

城へ来たいとするアメリアの希望を知ったエリオットは、訝った。しかし、一時の仮の婚約者だと思い出して納得した。

――そういえば、婚姻活動は進めると言っていたな。

互いに好き勝手やるという契約だったから、昨日も顔を合わせた際にろくに話していない。だが、当初から彼女の方は登城目的を考えてもいたのだろう。

普通の令嬢であれば、王宮に自由に出入りできる好機を逃さない。

見合いの際には、イメージと違って大人しい感じも受けた。しかし、なんだかんだ言って、あの見た目通りのガツガツ系令嬢だったというわけだろう。

「別にいいぞ」

エリオットは、あっさり許可を出した。申請書すら目を通されなかった男が、戸惑った様子でそれを差し出す。

「あの、内容の確認は――」

「必要ない」

< 33 / 230 >

この作品をシェア

pagetop