悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
それを、近衛騎士隊長のクラークは、正面から聞いていた。
近くに居合わせた男達が、アメリアに異国語でも聞いたみたいな顔を向けて、通り過ぎて行く。
「『高貴なる令嬢』とは、また素晴らしく的を射た名を思いついたものです」
やがて、長かった熱論が終わると、聞き届けたと言わんばかりにクラークが一つ頷いた。
「そこにも感服致しました。そして、布教のごとく演説も感動的なほどでしたよ。お前は、あの方の素晴らしさを分かってくれますか」
「もちろんですわ!」
熱量のまま喋りまくって大満足していたアメリアは、伯爵令嬢という立場も忘れて、元気いっぱいにそう答えた。
そこで、クラークが「ん?」とやや首を傾げた。
「そういえば、まだお互いに名乗っていませんでしたね。私はクラーク・バトスです」
「あっ、私はアメリア・クラレンスと申します」
遅れて気づき、アメリアは慌てて自己紹介を返した。
「おや、第二王子殿下と婚約した令嬢ですか」
クラークが、薄い反応をした。
二十歳と十八歳。二人いる王子の中で、ようやく昨日に決まった第二王子の婚約相手だ。近しい職場の彼が、知らないでいるというのも意外な気がする。
「なんです? ポカンとした顔をされて」
眼鏡を押し上げた彼が、アメリアに気づいて視線を返してきた。
「いえ、なんか、意外で……? 髪色の特徴とか、噂されているものかと思って」
近くに居合わせた男達が、アメリアに異国語でも聞いたみたいな顔を向けて、通り過ぎて行く。
「『高貴なる令嬢』とは、また素晴らしく的を射た名を思いついたものです」
やがて、長かった熱論が終わると、聞き届けたと言わんばかりにクラークが一つ頷いた。
「そこにも感服致しました。そして、布教のごとく演説も感動的なほどでしたよ。お前は、あの方の素晴らしさを分かってくれますか」
「もちろんですわ!」
熱量のまま喋りまくって大満足していたアメリアは、伯爵令嬢という立場も忘れて、元気いっぱいにそう答えた。
そこで、クラークが「ん?」とやや首を傾げた。
「そういえば、まだお互いに名乗っていませんでしたね。私はクラーク・バトスです」
「あっ、私はアメリア・クラレンスと申します」
遅れて気づき、アメリアは慌てて自己紹介を返した。
「おや、第二王子殿下と婚約した令嬢ですか」
クラークが、薄い反応をした。
二十歳と十八歳。二人いる王子の中で、ようやく昨日に決まった第二王子の婚約相手だ。近しい職場の彼が、知らないでいるというのも意外な気がする。
「なんです? ポカンとした顔をされて」
眼鏡を押し上げた彼が、アメリアに気づいて視線を返してきた。
「いえ、なんか、意外で……? 髪色の特徴とか、噂されているものかと思って」