悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「女性は、彼女のことしか見ていませんので眼中にありません」

……推しへ愛が重い。この人、本物だわ……。

アメリアは、彼が難攻不落の攻略キャラであると実感した。悪役令嬢の目印のように特徴的に、自分のチェリーピンクの目立つ髪を見てしまう。

「それで? どうしてお前はここに?」

「どうしたら、彼女を見守れて、お力になれるのかと悩んでいます」

「ほぉ」

髪を触っていたアメリアは、つい素直に本音の方をもらした。嘘偽りない呟きのような声を聞いて、クラークがしばし考える。

「そうですね、お前と私は言わば〝同志〟。お前は『高貴なる令嬢』という素晴らしい名を提案してくれた者でもありますから、私が力になってやりましょう」

「本当ですか!?」

アメリアは、パッと目を輝かせた。

キラキラとした赤薔薇色の瞳いっぱいに、自分が映っている。それを物珍しそうにクラークがじーっと見た。

「――変な令嬢です。婚約者の殿下にでも頼めば、自由になるでしょうに」

ぼそり、と彼が独り言のように呟く。

きょとんとしたアメリアは、笑顔のまま小首を傾げた。

「どうしてそこで殿下が出てくるんですか? 私が、ミッシェル様を見守ってお力になりたいんです。殿下は関係ないです」

そう答えたら、クラークがニヤリとした。

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