悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
あ、珍しい。難攻不落の攻略キャラの彼も、こんな表情をするんだ……ゲーム画面では見たことがなかったけれど、現実では少し違うのかもしれない
「そういう女性は嫌いではないですよ。あなたが殿下の妃となった暁には、正式に護衛してさしあげましょう」
「え……。あの、お気持ちだけでいいです」
結婚どころか、途中で婚約破棄される身である。嘘がつけないアメリアは、途端にしどろもどろになって狼狽えてしまう。
「そう謙虚にされなくともよろしいのですよ」
「いえ、別に謙虚でも謙遜でもないのですが、えぇと――」
「さて、いつでも彼女を見守れて、必要あらばお助けできる立場となると。殿下の婚約者で女性であることを踏まえると、ここは〝お友達大作戦〟ですね」
「お、お友達……っ」
提案された直後、アメリアは真顔でよろけた。個人的な事情も一瞬で頭の中から飛んで、一心にクラークを真っすぐ見つめ返す。
「素晴らしいですわ、近衛騎士隊長様」
「その反応を見て安心しました。名前呼びで構いませんよ、同志。共にあの方の幸せと平穏な時間を守りましょう」
「はいっ、クラーク様!」
アメリアは、差し出された手を躊躇なく握り返した。
――ここに、ファンクラブならぬ、たった二人の同盟ができた。
◆§◆§◆
「そういう女性は嫌いではないですよ。あなたが殿下の妃となった暁には、正式に護衛してさしあげましょう」
「え……。あの、お気持ちだけでいいです」
結婚どころか、途中で婚約破棄される身である。嘘がつけないアメリアは、途端にしどろもどろになって狼狽えてしまう。
「そう謙虚にされなくともよろしいのですよ」
「いえ、別に謙虚でも謙遜でもないのですが、えぇと――」
「さて、いつでも彼女を見守れて、必要あらばお助けできる立場となると。殿下の婚約者で女性であることを踏まえると、ここは〝お友達大作戦〟ですね」
「お、お友達……っ」
提案された直後、アメリアは真顔でよろけた。個人的な事情も一瞬で頭の中から飛んで、一心にクラークを真っすぐ見つめ返す。
「素晴らしいですわ、近衛騎士隊長様」
「その反応を見て安心しました。名前呼びで構いませんよ、同志。共にあの方の幸せと平穏な時間を守りましょう」
「はいっ、クラーク様!」
アメリアは、差し出された手を躊躇なく握り返した。
――ここに、ファンクラブならぬ、たった二人の同盟ができた。
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