悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
ミッシェルは、とても美しい。何故、超絶可愛いゲームヒロインと、ストーリー部分でかかわることなく終わってしまうのだろう?

ヒロインといえば、そろそろ教会勤務が始まっている頃だろう。

アメリアは、チラリとゲーム本編を思い返した。月明けにも一回目のゲームイベント〝教会視察〟が起こって、メインヒーローであるエリオットと出会うはずだ。

――まっ、私には関係ない話だけど。

出会った後、適当な婚約なんてしなければ良かったなと思いながら、彼女と仲を深めていく彼の恋路を邪魔するつもりは毛頭ない。

エリオットから相談されたら即、婚約破棄に動けばいい。

「そんなことよりも、私達のきっかけ作りよ……!」

断罪イベントがなくなって、ただの平和的な婚約破棄なら問題はない。アメリアにとって、目の前にいる〝高貴なる令嬢〟の方が重大案件である。

そちらへと目を戻せば、途端にメインヒーローなんてどうでもよくなってしまう。

どうしよう。もう見ているだけで幸せすぎて昇天しそうなんだけど!

「ああ、今日もなんって麗しいのかしらっ」

脳内は「尊い」「美しい」などなど溢れている。そうやって飽きずに見惚れているから、話しかけるタイミングを逃し続けていることにアメリアは気づかない。

不意に、目に焼き付けていた〝高貴なる令嬢〟が本から顔を上げた。

「ん? 誰かそこにいるのかい?」

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