悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
気づかれ、向こうから声をかけられた。

長い銀髪が揺れる。振り返るミッシェルの動きを注目していたアメリアは、そのまま彼女と視線が合って、どきんっと心臓がはねた。

「おや。君は、この前木の下に座っていた子じゃないか」

しかも覚えてくれていた――っ!

アメリアは、歓喜のあまりすぐに声が出なかった。彼女の目に自分が映っているだけでなく、認識されているとかこんな幸せなことってある!?

すると、見つめ合っているミッシェルの、美しい湖色の瞳が優雅に微笑んだ。

「元気になったんだね。良かったよ」

ぐおおおっ、生の笑顔が素敵すぎる……!!

寸でのところで、うっかり顔面を押さえて天を仰ぎそうになった。それを心の中だけで踏みとどめたアメリアは、興奮気味に答える。

「は、はいっ! あの、えと、私っ、元々とても丈夫なんですよ!」

「ふふっ、とても元気な子だね」

ミッシェルは、小さく笑うとアメリアを促した。

「そんなところで立っているのも話しにくいだろう? 席は空いているから、どうぞ」

「どっ、同席しても構わないんですか!?」

「うん、別に構わないよ?」

不思議そうに述べた一瞬後には、アメリアは猛ダッシュしていた。ミッシェルが目を丸くする中、持ち上げていたドレスを下ろし着席する。

推しと、今、同じテーブル席に座っている!

< 46 / 230 >

この作品をシェア

pagetop