悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
背を伸ばしたアメリアは、キリリとした表情だった。興奮が爆発してしまわないよう、スカートの上でしっかり手を押さえつけていた。
「どうして君がここに? 王宮には、両親の都合で用事でも?」
「あ。その、両親は関係ないんです」
やばい、事前にクラークと考えていた台詞が全部飛んだ。婚約者だから出入りしていることを伝えるべく、まずは慌てて名乗った。
「えっと、私はクラレンス伯爵家、アメリア・クラレンスと申します」
あとに続ける言葉を大急ぎで考えていると、ミッシェルが、思いついたことがある顔をして先に口を開いた。
「ああ。クラレンス伯爵家の令嬢というと、君が最近、第二王子殿下の婚約者になったという〝薔薇君の令嬢〟なのか」
「ん……? 『薔薇君』?」
何ソレ?
アメリアは、困惑した顔で首を傾げる。するとミッシェルが、親切にも柔らかな口調でこう教えた。
「なんでも、一目で第二王子が婚約者にしたほどの、真っ赤な薔薇のごとく気高さ溢れ、それはそれはとても美しい令嬢がいる、と噂になっているよ」
それ、誰。というか、ただの契約なんですけど……。
とんでもなく誇張され、美化されてもいる噂にアメリアは震えた。確かに〝悪役令嬢アメリア〟は意地悪系な美人顔で設定されてはいる。
「どうして君がここに? 王宮には、両親の都合で用事でも?」
「あ。その、両親は関係ないんです」
やばい、事前にクラークと考えていた台詞が全部飛んだ。婚約者だから出入りしていることを伝えるべく、まずは慌てて名乗った。
「えっと、私はクラレンス伯爵家、アメリア・クラレンスと申します」
あとに続ける言葉を大急ぎで考えていると、ミッシェルが、思いついたことがある顔をして先に口を開いた。
「ああ。クラレンス伯爵家の令嬢というと、君が最近、第二王子殿下の婚約者になったという〝薔薇君の令嬢〟なのか」
「ん……? 『薔薇君』?」
何ソレ?
アメリアは、困惑した顔で首を傾げる。するとミッシェルが、親切にも柔らかな口調でこう教えた。
「なんでも、一目で第二王子が婚約者にしたほどの、真っ赤な薔薇のごとく気高さ溢れ、それはそれはとても美しい令嬢がいる、と噂になっているよ」
それ、誰。というか、ただの契約なんですけど……。
とんでもなく誇張され、美化されてもいる噂にアメリアは震えた。確かに〝悪役令嬢アメリア〟は意地悪系な美人顔で設定されてはいる。