悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
しかし残念ながら、自分はその魅力を十分使いこなせてはいない。それなのに、どうして〝薔薇君の令嬢〟だなんて言われているのか?

「それに君の兄上も、よく自慢して聞かせているらしい」

あ、これ、絶対兄のせいだ。

続くミッシェルの言葉を聞いて、アメリアは至った現状を把握した。第二王子との婚約があっさり決まったこともあって、噂好きな貴族達が誤解したのだろう。

そう考えていると、彼女がハタとして本を閉じた。

「ああ、自己紹介が遅れたね。私は宰相が娘、イリスバーグ侯爵家のミッシェルだ」

そう自己紹介してきた彼女の目が、そのまま足元の本へと落ちる。

「実は、その……君がこうしてここにいたのは、もしかしたら私に話しかけるタイミングを待っていたんじゃないかと、思ったりしたんだが……」

「ひぇっ、あ、ああああの私は決してストーカーではっ」

「君が再会を希望してくれていて、私を探していた……なんてことは、私の身では望めない想像か」

ぽつりぽつり口にしていたミッシェルの言葉は、最後は諦めの吐息交じりに独り言になった。

もしかして張り込んでいたのがバレたんじゃないかと思って、必死に言い訳を考えていたアメリアは、「へ?」と間の抜けた声を上げてしまった。

「あの、ミッシェル様……? どうしてそうお思いに?」

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