悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
分からなくなって尋ねてみれば、ミッシェルが畏まって座り直し、また溜息を一つ吐いた。

「私はこの通り、幼い頃の病で不気味な髪の色になった。元々不健康そうな肌の色だ、余計に白銀が目立って……そんな令嬢に、話しかけたいとする女性もいないのだろうなぁと」

えっ、この人、めっちゃ勘違いしてる!

アメリアは、気づいた事実に驚愕した。ミッシェルはどうやら、幼い頃に変化したその美しい銀髪を、気味悪がられていると思っているらしい。

宰相の娘。それでいて、あまりにも美しくミステリアスな人だ。だから男女共にくらくらして、おこがましくも話しかけられないでいるだけなのだ。

「ミッシェル様の御髪は、とても美しいですよ!?」

思わず強く主張した。

ミッシェルが、遠慮がちにアメリアを見つめる。銀髪が美しい自覚はやっぱりないようで、気味悪がらせたりしていないか心配しているみたいだった。

こんなにも美しくて完璧なのに、どうして無自覚なのか不思議だ。

そもそも彼女は、話しかけられるのをご所望していた? つまり、私に気づいてからずっと、お喋りできるかもと〝期待〟を……!?

「私はっ、ミッシェル様にお声をかけたかったのです!」

アメリアは、己の願望が丸出しになった使命感溢れる顔で言った。

「本当に……? それは、まさか私と話そうと思って……?」

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