悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
信じられない様子で、〝高貴なる令嬢〟がパチパチと瞬きする。

ああ、そうするお姿もなんて美しい……目の前から拝められたアメリアは、一瞬、現状を忘れてうっとりした。しかし、ハッと我に返る。

「私は、こうして再会したいとずっと思っておりました! お噂で王宮にいらっしゃると聞いて、居ても立ってもいられず登城して捜し回ったのです!」

熱意を込めて告げたアメリアは、推しへの愛を思って目力を増した。ここで今言うんだ!

覚悟を決め、テーブルに手をついてガバリと頭を下げた。

「ミッシェル様! わっ、わた、私でよければ喋り友達になりませんか!」

直後、しーんっと場が静まり返った。

友達、だなんて大それたことを言ってしまった。身の程知らずだとは分かっているけれど、できることなら私は、この人を助けられる友人でありたい。

アメリアは、緊張して待っていた。

すると「どうか、顔を上げて」と言われた。恐る恐る視線を上げてみると、普段見ていた物憂げさも薄れたミッシェルの目と合った。

「ああ、とても嬉しいよ。どうかよろしく、アメリア」

名前を呼んでくれた〝高貴なる令嬢〟の笑顔が、心からの喜びで美しく輝く。

ああっ、私、この人のために一生をつぎこんだって構わない!

アメリアは心が決まった。感激して、思わず拝む勢いで胸の前で手を組み合わせ「はい!」と元気いっぱいに答えた。

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