悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「じゃっ、クラーク様、私はいったん帰りますね! もし誘われなかったら、侍女として潜入できないかまた相談しにきます!」
「お前、本当に私の話を聞いていませんね」
そんな声も耳を素通りして、彼女は「ミッシェル様のために!」と使命感に燃えて近衛騎士隊のサロンを後にした、
王宮内はとても広くて、正面入り口へ行くにしても距離がある。
つい走ってしまいたい気持ちがしたが、ここは家ではないので我慢した。そうしてようやく、近衛騎士隊側の廊下を抜けて角を曲がった。
そこで、不意にバッタリと対面した人を見て、アメリアは驚いた。
「……で、殿下?」
そこには第二王子エリオットの姿があった。まるで待ち伏せでもしていたかのように、壁に背をもたれて立っているではないか。
気づいた彼が、切れ長の紺色の瞳を向けてきた。
「近衛騎士隊側の方が騒がしいと、親切にも部下に報告されてな」
おかしいな、騒がしくした覚えはないのだけれど……。
アメリアは思ったものの、お淑やかであることにして口は閉じていた。なんだか苛々している空気を感じるような気がする。
「こうして会うのは、陛下達を交えて婚約が下った時以来だな」
「はぁ。左様でございますね」
と、不意にエリオットが、手を差し向けてきた。
「お前、本当に私の話を聞いていませんね」
そんな声も耳を素通りして、彼女は「ミッシェル様のために!」と使命感に燃えて近衛騎士隊のサロンを後にした、
王宮内はとても広くて、正面入り口へ行くにしても距離がある。
つい走ってしまいたい気持ちがしたが、ここは家ではないので我慢した。そうしてようやく、近衛騎士隊側の廊下を抜けて角を曲がった。
そこで、不意にバッタリと対面した人を見て、アメリアは驚いた。
「……で、殿下?」
そこには第二王子エリオットの姿があった。まるで待ち伏せでもしていたかのように、壁に背をもたれて立っているではないか。
気づいた彼が、切れ長の紺色の瞳を向けてきた。
「近衛騎士隊側の方が騒がしいと、親切にも部下に報告されてな」
おかしいな、騒がしくした覚えはないのだけれど……。
アメリアは思ったものの、お淑やかであることにして口は閉じていた。なんだか苛々している空気を感じるような気がする。
「こうして会うのは、陛下達を交えて婚約が下った時以来だな」
「はぁ。左様でございますね」
と、不意にエリオットが、手を差し向けてきた。