悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
アメリアは、令嬢らしく慎ましげな声で尋ねる。
「この婚約は、お互いに社交も必要最低限という内容でした。他の誰かをパーティーに誘っても大丈夫、ということですよね?」
そう確認した途端、エリオットの周りの温度が少し下がった。冷ややかに見下ろされたかと思ったら、壁に手をついて覗き込んでくる。
「既に、他に連れて行く愛人の予定でも?」
ん? なんか、不穏な空気が漂っている気が……。
ふと、そういえば彼には良い印象を抱かれていなかったのを思い出した。エリオットは〝悪役令嬢アメリア〟が遊んでいると思っているのだ。
これは、引き続き誤解させていた方がいいのだろうか。ここで否定して、彼がこれから出会うヒロインを、舞踏会に誘いづらくなったりしない?
アメリアが返答せずにいると、エリオットの眉が強く寄った。
「それとも愛人ではなく、婚約破棄後の、未来の婚約者候補か?」
強調して更に言い寄られた。今にも触れそうなくらい近くて、アメリアはなんだかとても緊張してしまって花を胸に縮こまる。
「えぇと、あの、そのような候補は、まだ……」
「まだ?」
見据える彼の指先が、首を掠めて髪をすくい取った。特徴的なチェリーピンクの髪を、見せつけるみたいに口元へとあてる。
アメリアは、ひぇえと身が竦んだ。
「この近さで、こうして触れても動じないとはさすがだな、アメリア嬢?」
「この婚約は、お互いに社交も必要最低限という内容でした。他の誰かをパーティーに誘っても大丈夫、ということですよね?」
そう確認した途端、エリオットの周りの温度が少し下がった。冷ややかに見下ろされたかと思ったら、壁に手をついて覗き込んでくる。
「既に、他に連れて行く愛人の予定でも?」
ん? なんか、不穏な空気が漂っている気が……。
ふと、そういえば彼には良い印象を抱かれていなかったのを思い出した。エリオットは〝悪役令嬢アメリア〟が遊んでいると思っているのだ。
これは、引き続き誤解させていた方がいいのだろうか。ここで否定して、彼がこれから出会うヒロインを、舞踏会に誘いづらくなったりしない?
アメリアが返答せずにいると、エリオットの眉が強く寄った。
「それとも愛人ではなく、婚約破棄後の、未来の婚約者候補か?」
強調して更に言い寄られた。今にも触れそうなくらい近くて、アメリアはなんだかとても緊張してしまって花を胸に縮こまる。
「えぇと、あの、そのような候補は、まだ……」
「まだ?」
見据える彼の指先が、首を掠めて髪をすくい取った。特徴的なチェリーピンクの髪を、見せつけるみたいに口元へとあてる。
アメリアは、ひぇえと身が竦んだ。
「この近さで、こうして触れても動じないとはさすがだな、アメリア嬢?」