悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「遊んでいるだとか、一部嫌がらせで流している令嬢グループがいらっしゃるみたいですけれど、やっぱりお噂ってあてになりませんわ。ファンクラブであるわたくし達の、ヒューゴ・ケインズ様も華麗にスルーされてっ!」

「えぇ!?」

イケメンワンコ君、いたの!? 全然気づかなかったよ!?

それは、ゲームファンに「ワンコ君」と属性名で呼ばれて、愛されていた攻略キャラだった。彼の「初心な青春☆ふわふわ幸せ☆ハッピーエンド」は、学生から社会人まできゅんきゅん言わせた。

思えば、彼は一番、登場回数が多い癒し系イケメンのはずなのだが、全然見かけていない……そんなに影が薄いキャラだっけ?

アメリアは彼が登場する時間帯、自分が〝高貴なる令嬢〟に夢中になり、同志であることが発覚した近衛騎士隊長クラークとつるんでいたせいで、ことごとくタイミングを逃していることに気づいていなかった。

「とあるファンクラブの方々からも、高評価ですわよ」

「しあもアメリア様は、既に王弟妃教育レベルでご教養もお持ちだとかっ」

いえ、あれは友達もいない〝悪役令嬢アメリア〟が、趣味のごとくコツコツと勉強をしていたゆえの、本人も気づかなかった副産物であって……。

同年代の女の子達にキラキラとした目で褒められて、アメリアは困った。そのため学ぶことが減っていき、教育のレベルをガンガン上げるしかなかった、という悲しい事実なのだ。

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