悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「でも殿下があと、というのも大変美味しい設定ですわよね」

「確かに同意ですわ。はぁ、ヒューゴ様もとても素敵ですけれど、是非とも近衛騎士隊長様の、恋憂う超絶美形で色気たっぷの表情も見たいですわねぇ」

「あら、それを言うのなら、私は是非とも殿下のその様子を見たいですわっ」

令嬢達は、揃って妄想に耽るようにうっとりとした。

つまり己の欲望のために、そういうことにして、三角関係やら略奪愛やらを想像してきゅんきゅんしたいだけなのでは?

アメリアは、どちらもその可能性はないんだけど、と教えてあげたかった。だってクラークは〝同志〟だし、第二王子エリオットとは〝契約〟だ。

――それなのに、この勝手に妄想を膨らまされて崇拝されている現状。

なんだか頭がいたくなってきた。〝悪役令嬢アメリア〟が、こんなことになるなんてゲームの原作にはなかったことだ。

ゲームヒロインが、早く王宮に通うようになってくれることを望んだ。超絶愛らしいし、性格よしなところも大人気となって、令嬢達からきゃーきゃー言われる存在になるのだ。

第二王子エンドの結婚式シーンなんて、男性よりも女性からの祝福が多かったもんなぁ……とアメリアは思い返した。

あれ? そもそも王宮で、十代の若い令嬢達に、妄想を膨らまされてきゃーきゃー言われるのって、そもそもゲームのヒロインだけだったような――。

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