悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
ロバートが、女性が見たら失望しそうなくらいの残念な様子で、そう妹の婚約者へ堂々と言ってのける。エリオットは、ますます不機嫌な顔になっていた。

同じ室内にいた部下達が、その様子を見つつ囁き合う。

「あの人、妹さんと殿下の婚約を応援していないのか……?」

「俺、前の部署から引っ張ってこられた部下だから知ってるけど、応援なんて全くしてないと思うぞ」

「むしろ、婚約がなくなったらより最高、とか思ってるんじゃないか? 昔っから妹を溺愛しているし」

婚約破棄は、貴族にとって大問題である。しかし、この人なら全く気にせず「よし次に行こう!」とやっていそうだな……と周りの者達が呟いた。

――そんなことは、分かっている。

エリオットは、なぜかむかむかしてきた。ロバートは、配属初日から妹大好き宣言をしており、日頃からその空気もひしひしと感じている。

そのアメリアが、もし別の誰かと婚約をして、結婚をしたら?

想像すると、腹の中が非常にもやもやした。

なんだか、面白くない。まさかアメリアは、例の近衛騎士隊長を誘って舞踏会のエスコートさせる気なのでは?

いや、初めての舞踏会だ。あのうまくやれている賢い女なら、さすがに世間体を考えて「一回目の参加は婚約者でないと」と気づく、はず――……

そう考えたところで、ん?と一つの違和感を覚えた。

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