悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
視察に行けば、しばらの間は王宮に帰ってこられないだろう。自分の不在を良しとして、アメリアが近衛騎士隊長と堂々と密会を楽しんで、王宮内の散策などを楽しんだとしたら?

そうすると、男の方から舞踏会に誘うかもしれない。アメリアはこちらの婚約者だというのに、仲睦まじげに話し、ロマンチックな雰囲気になったとこで、彼女の手を取って舞踏会へ誘う。

そして舞踏会当日、近衛騎士隊長はエリオットの存在も構わずに、着飾った彼女の細いの腰を堂々と抱き寄せてエスコートする――。

そう想像した途端、エリオットは嫌悪感でブチリと切れていた。

王宮でデートなんてさせない。近衛騎士隊であれば、今回の視察の件も耳に入れているはずだ。

アメリアとその男の、思い通りにさせてたまるか。

「世間の俺の好感度なぞ、どうでもいい。協会の視察へは、代わりにヒューゴに行かせろ」

エリオットは、部下達を強く見つめ返して言った。怒気に気づいた部下達は、戸惑しながらも「承知しました」と答えた。



――第二王子エリオットは、自分でゲームヒロインとのフラグを折っていた。



◆§◆§◆



その翌日、アメリアは王宮で、ミッシェルと午後一番の紅茶休憩をしていた。

本日クラークは同席していなかった。いつも仕事が忙しいと、すっかり合流場所となっている例の廊下の柱にいないことが多い。

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