惹かれたのは強く、眩しい子で。
「ご成人おめでとうございます。エルシー王子がいるこの国は安泰です。」
「王子、お妃はまだなのですよね?うちには年頃の娘が2人います。…どうでしょう。必ずや国の為になりますわ。」
「エルシー様、私のこと覚えていらっしゃいますか?」
「私も、以前パーティーでお話ししたのですが。」
「………他人の顔を覚えるのがあまり得意ではなくてな。」
「では!あちらで少しお話しできませんか!?」
「2人きりとは言いません!3人で良いですので!」
「悪いが、他にも挨拶しなければならない。」
腕を掴まれる前に、さっと踵を返す。
だが、すぐに別の貴族に掴まる。
募る苛立ちをどうにか抑え、聞く価値もない貴族どもの話を聞き流しながら、離れるきっかけを待つ。
吐き気が込み上げる程のきつい匂い
女をアピールする恰好の貴族の娘
剣術や知的さをアピールする貴族の子息
貴族の子どもたちは、俺と同じぐらいか年上がほとんどだ。
だからか、貴族の大人たちも、子どもたちも、上手くやれば俺を丸め込めると思っているんだろう。
そんな思考が見え見えで、いつも鼻で笑ってしまう。