惹かれたのは強く、眩しい子で。
何も言わないでいると、満足気な表情を浮かべて「では。」と帰っていく伯爵
息子を国の中枢に据えるのが最終目的なのか、
それとも、また別の目的が…。
カサリと裏返していた書類をめくる。
それは例の記号が4種類書かれている。
その中でも、圧倒的にひとつだけ数が多かったのが、崩して書かれたTのような文字の左下に2と書かれたもの。
全てが同じように数字と崩して書かれたような文字の組み合わせになっており、他には7とA、5とE、0とUがある。
何度もこの国の貴族名簿と照らし合わせてみたが、読み解けない。
「はあ…、…いっそのこと別件で捕らえるか。」
「それができれば良いんですがね。」
大きな溜息を吐いて椅子に背をつける。
怪しい貴族はあらかた目をつけてあるが、これといった証拠がない。
王族といえど貴族を確実な証拠なしに捕らえるのは極めて難しい。
それでも、何としてでも解決しなければ。