惹かれたのは強く、眩しい子で。
「っリラ様!!」
立ち上がって走り出そうとすれば、倒れる体
「大人しくしてな。傷がついたら安くなるだろ。ラース伯爵、今から連れてくかい?」
「そうだな。お前も追われてる身だろうし、一緒に乗ったら良いさ。」
「あら、優しい。じゃあ、そうするわ。」
袋を持った黒いマントの男がこちらに来る。
逃げようとするが、髪の毛を強く握られる。
「っ離して!」
「大人しくしろ。せっかくの美人が台無しだぞ?」
男の横に顔を緩ませたラース伯爵が並ぶ。
「…味見したらバレるか?」
「ダメよ。あれは顔1番、次に初物かどうか。…ミア、あんた男知らないわよね。」
「っ…。」
眉を顰めた施設長の顔が怖い。
……男を知らない、初物…。
まるで走馬灯のようにエルの事を次々と思い出す。
年下なのに意地悪するし、王子なのに変態だし。
…でも、いつだって助けてくれる。
城で働き始めた頃、エルが周りにバレないようこっそり来ては色々教えてくれた。
私をリラ様の侍女にと薦めてくれたのもエルだとリラ様から聞いたことがある。
私にとってエルは大恩人
そしてきっと、あの時、救ってくれた時から、私はエルを…。