惹かれたのは強く、眩しい子で。
馬を走らせ着いたのは、闇に紛れるような蔦が這う屋敷だった。
馬を飛び降り、屋敷に入ろうとするが、ノイに止められる。
「エル、無闇に入っても勝ち目はないよ。」
いつもとは違う緊張感のあるノイの表情に少しだけ冷静になれた気がした。
「ここは使用人などはいません。ですが、リラ王女たちを攫った者たちがいると見ていいでしょう。…確か、地下があります。そこにいるのではないかと。」
「分かりました。子息はここにいてください。ノイ、行くぞ。」
「ちょっと、エル!」
ノイの声など聞こえない。
古びた屋敷に足を踏み入れ、微かな音も漏らさぬよう進んで行く。
屋敷自体はそれほど広くなく、後から入った騎士たちが俺の前を行き、一斉に広がっていく。
そしてどこからか戦いの始まる音が聞こえた。
「エル!地下へ行けるぞ!」
地下へ入るとそこは地上より広い空間だった。
明かりがぽつりぽつりとしかついておらず、目と耳を駆使しながら進んで行く。
「離して!ミア!!」
その声が聞こえ、一斉に走り出す。
「何者だっ!?」
「ぐわっ!!」
「おいっ!!何をしている!?早くやらんか!」
「その子を離してもらおうか!!」
ノイが一瞬で抱えられていたリラを助け出し、黒服の奴らは騎士が相手をする。
「ノーティ、それにサバチエ、オーラグだな。」
「…っ、これはこれは、王子ではないですか。」