身代わり花嫁は若き帝王の愛を孕む~政略夫婦の淫らにとろける懐妊譚~
珍しく椿からねだられた仁は、受け止めながら求められた以上にお返しする。

「仁は私に与えてくれたの。だからいいの」

あの日、椿は仁の手によって女性として花開いたのだ。抱かれることの喜びと、愛されることの幸福感を教えてもらった。

「椿は俺に甘いな」

やれやれといった感じで、仁は椿の手を持ち上げ甲にキスを施す。

「ねぇ、もっと強く抱いて。思いっきりして」

「……いいのか? また気を失うぞ。きっとそのまま朝になってる」

昂るとすぐ落ちてしまう椿を、仁はくつくつと笑って茶化す。

「いいの。気持ちよく眠りたいの」

めちゃくちゃにされて、そのまま幸せの絶頂で眠りに落ちたい。

神様の前で愛を誓ったこの日くらい、少し大胆に交わっても許されるだろう。

「後悔するなよ。俺の愛は重いぞ? ついでに激しい」

愛の重さと激しさなら、とうに知っている。

今度は椿の方がクスクスと笑いながら、仁に体を明け渡すように深く抱き込む。

「後悔なんてするわけがないわ」

どんな重さでも仁の愛なら受け止められるのだから。

椿の注文通り、仁が深く激しく愛を穿つ。

無我夢中で真剣に自分を求めてくる仁を見ていたら、椿は心が満たされた気がした。

だがすぐに余裕がなくなって、呼吸もままならなくなる。

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