身代わり花嫁は若き帝王の愛を孕む~政略夫婦の淫らにとろける懐妊譚~
次に満たされたのは体の方で、快感にあっという間に打ちのめされて意識を失う。

必死に目を開けようとしたけれど、疲労がさらに椿を深い眠りへと誘う。

「おやすみ、椿。愛しているよ」

意識を手放す寸前、仁の甘い囁きが届いた気がした。



「ままー、ままー」

耳元でかわいらしい声がして、椿はぼんやりとしながらもなんとか目を覚ました。体がゆらゆらと揺すられている。

「う……ん……結梅……?」

猛烈な眠気に負けそうになりながらも、なんとか気力を奮い立たせる。

――夕べは確か……仁と体を重ねて、そのまま……。

重大なことに気づきハッと目を覚ます。自分は今、裸なのではないか?

慌てて目を開けて胸元を覗き込んでみると、きちんと浴衣を着ていて、余計に記憶が混乱する。

――あれ? 私、いつの間に浴衣を着て……?

仁と激しく重なったあの記憶は夢? いや、現実であるはずだ、体にはまだめちゃくちゃにされたときの鈍い疲労が残っている。

もしかして、無意識のうちに浴衣を着たのだろうか。

いずれにせよ、結梅に裸で眠っているところを見られなくてよかった。不思議な顔をされてしまうし、真似されても困る。

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