ホテル王に狙われてます!ハニートラップから守るはずが、罠にかかったのは私でした?!
「さてと…。」

と、言うと、田辺は鞄から契約書を取り出すと、

「どうぞお座りください。」

と、言って、テーブルに契約書を置き、開くと、美夕の前に差し出した。

「まず、こちらに目を通していただいて、問題なければこちらとこちらにサインをお願いします。」

「…はい。」

と、言ってから美夕は契約書をめくると、1ページ目から読み始めた。3ページ目までめくったところで、田辺さんが、

「大丈夫ですよ。仕事内容は、主に副社長のプライベートの知人の電話対応などです。経営に関する仕事関係はすべて私が対応致します。」

と言って田辺さんはニコリとした。

私は、不安そうにしていたのがバレたのかと思い、残りのページをパラパラとめくると、契約書にサインをした。すると、田辺はすぐに契約書を回収した。

「こちらは春名さんの控えになります。」

と言って差し出した。

「明日からホテルの制服は着ずに、こちらが用意するスーツを着用して頂きます。」

「ホテルで働くのに、制服じゃないんですか?」

「はい。あくまで副社長専属ですので、ホテルの制服を着られると、他のご宿泊のお客様に声をかけられる場合があるので。ホテルの仕事は一時休止という形になります。」

美夕は、

「分かりました。」

と返事をした。

「説明は終わったか?」

と、高遠副社長が、田辺に聞くと、

「はい。終わりました。」

と、答えた。

「じゃあ、春名さん、帰る用意をして20分後に、地下駐車場へ来るように。」

「え?はっ、はい。」

と、美夕は、返事をすると、

「失礼します。」

と、言って、お辞儀をしてから契約書を持って部屋を後にした。
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