ホテル王に狙われてます!ハニートラップから守るはずが、罠にかかったのは私でした?!
地下駐車場に着くと、腕時計を確認して、ゆっくりと呼吸をして息を整えた。

「2分前到着、良し。」

すると、スーッと、高級車が美夕の目の前に止まった。

助手席の窓がスッーと下がると、田辺が、

「春名さん、乗ってください。」

と言った。

「はっ、はい!」

美夕が後部席のドアを開けると、高遠副社長が、乗っていた。美夕は驚きながらも、

「失礼します。」

と言って車に乗り込んだ。

乗りごごちの良い座席に戸惑いながらも、ドアを閉めた。

運転手が振り返り、

「シートベルトの着用をお願いします。」

と美夕に言ってきた。

「す、すいませんっ!」

美夕は普段車に乗ることがほとんどないので、シートベルトの存在をすっかり忘れていた。
慌ててシートベルトを引っ張ると、ガッと引っかかったような音がして、それ以上伸びず、シートベルトが締められない。

え?あれ?なんで?

美夕は焦って何回も引っ張る。

「くっ!」

と一瞬笑われたような声がしたかと思うと、高遠副社長の逞しい腕が美夕の前に伸びてきた。
突然の至近距離に美夕はドキンとした。

ち、近い!!

高遠副社長は美夕のシートベルトをそっと掴むと1度緩めてから、ゆっくりと引き、カチッと留めてくれた。

美夕はドキドキと恥ずかしさで真っ赤になっていた。

「あ、ありがとうございます。」

「ああ。」

と、高遠副社長はぶっきらぼうに答えた。

「出してください。」

と、田辺が言うと、車はゆっくりと走り出し、駐車場を出た。

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