ホテル王に狙われてます!ハニートラップから守るはずが、罠にかかったのは私でした?!
店員は笑顔で、
「何でも急に出張が決まって迷惑をかけたから、お詫びしたいとおっしゃてましたよ。」
と言った。
『逆にそんなことを言われたら、ますます選べなくなる。』
「副社長に買っていただくわけには・・・。あの大変申し訳ありませんが、
やっぱり購入はやめます。」
と、美夕は店員に言うと、美夕の真後ろで、
「じゃあ、悪いが適当に見繕ってくれないか。」
と、高遠副社長の声がした。
店員は、
「かしこまりました。」
と言って、その場を離れると、すぐにワンピースを選び始めた。
美夕は振り向き、
「高遠副社長、本当に困ります。受け取れません。」
と困った顔で言った。高遠副社長は、
「じゃあ、副社長命令ってことで。」
と、笑顔で言った。
店員は張り切って用意している。
そんな様子を見て、美夕もますます断りづらくなった。
「春名様、ご試着お願い致します。」
と、店員に呼ばれた。
高遠副社長は、行ってきてと言わんばかりに、手を試着室の方に向けた。
美夕は店員に促されるままに、ワンピースを試着した。
店員に靴のサイズを聞かれ、答えると、靴もすぐに用意された。
ノースリーブのロングワンピースにカーディガン、靴は明るい色のフラットシューズで柔らかい素材の
物だった。さすが、空港ショップの店員はよく分かっている。観光でたくさん歩いても歩きやすく
なおかつおしゃれで疲れない靴。そして、寺院などに行く場合でも露出が多い服は入れないことがあるので、
カーディガンがあれば解決だ。
「とてもよくお似合いで!サイズはいかがでしょう。」
試着室から出て来た美夕に、店員が聞いた。
「サイズもぴったりで動きやすくて。とても良いです。」
美夕は正直に答えた。
「いいね。これにしよう。このまま着ていくから。」
と、高遠副社長が、店員に言った。店員はすぐに
「では、ご用意いたしますので、一度脱いでいただけますか?」
と言った。美夕は、試着室に戻ると、店員が、高遠副社長に、
「春名様はとてもお美しいですね。」
と言った。
「ああ。」
と、高遠副社長は、少し口元を緩ませながら答えた。
それから店員は、服の値札を外したり、美夕が着ていたスーツを紙袋に
入れ始めた。