体育祭(こいまつり)
「四百出るなんて知らなかったよ」
戻ってきた健二に悠香が声をかけた。
「ああ、俺も出るとは思ってなかったよ」
「え?」
悠香と私の声が重なる。
「俺、補欠だったの。ほんとに偶々出ることになっちまって、いい迷惑だ、まったく」
「その割には悔しそうだけど?」
悠香の言葉に、
「まあね。戦うからには勝ちたいんすよ。男は」
すねたように言う健二。
「でも、がんばったよ。すっごくかっこよかったよ」
私が自然とこぼした言葉に、下を向いていた健二が顔を上げた。
視線が合う。健二はちょっと意外そうな顔をしていた。
「そ? まじで? そりゃ、ま、嬉しいけど」
「うん。かっこよかったよ、健二の割には」
悠香が笑顔で言い返す。その笑顔が寂しく見えた。
「悠香、お前、一言多いんだよ。って、りり、このタオル、すげーことになってるんだけど」
涙でぐしゃぐしゃになったタオルを見て、健二が言う。
「しょ、しょうがないじゃん」
「まったく、泣き虫」
健二はそう言って、私の頭をぐしゃっとなでた。そして、得点版を見る。
「あーあ、あと少しだったのになあ」
二位との点差はわずか四点だった。
「でも、みんながんばったよね」
「うん」
「おうよ」
私の言葉に悠香と健二は頷く。その顔には満足げな笑みが広がっていた。
「また、次は来年だね」
私が言うと、健二は表情を変えた。ふっと目を伏せて、
「来年、ね……」
と小さく言った。
それは酷く不本意そうに響いた。
戻ってきた健二に悠香が声をかけた。
「ああ、俺も出るとは思ってなかったよ」
「え?」
悠香と私の声が重なる。
「俺、補欠だったの。ほんとに偶々出ることになっちまって、いい迷惑だ、まったく」
「その割には悔しそうだけど?」
悠香の言葉に、
「まあね。戦うからには勝ちたいんすよ。男は」
すねたように言う健二。
「でも、がんばったよ。すっごくかっこよかったよ」
私が自然とこぼした言葉に、下を向いていた健二が顔を上げた。
視線が合う。健二はちょっと意外そうな顔をしていた。
「そ? まじで? そりゃ、ま、嬉しいけど」
「うん。かっこよかったよ、健二の割には」
悠香が笑顔で言い返す。その笑顔が寂しく見えた。
「悠香、お前、一言多いんだよ。って、りり、このタオル、すげーことになってるんだけど」
涙でぐしゃぐしゃになったタオルを見て、健二が言う。
「しょ、しょうがないじゃん」
「まったく、泣き虫」
健二はそう言って、私の頭をぐしゃっとなでた。そして、得点版を見る。
「あーあ、あと少しだったのになあ」
二位との点差はわずか四点だった。
「でも、みんながんばったよね」
「うん」
「おうよ」
私の言葉に悠香と健二は頷く。その顔には満足げな笑みが広がっていた。
「また、次は来年だね」
私が言うと、健二は表情を変えた。ふっと目を伏せて、
「来年、ね……」
と小さく言った。
それは酷く不本意そうに響いた。