体育祭(こいまつり)
「え? 気づいてなかったの? 健二はたぶんりりが好きだよ」
 
 一連の出来事を悠香に話すと、悠香は逆に驚いて言った。

「……!」

 だって、健二とはずっと友達で。親友で。

「りりのことずっと心配して、見守ってたけど、ライバルが現れちゃ、黙ってはいられないよね」

 私は混乱した。健二が? これからどう接したらいいんだろう。

「ああ、気づいてないふりしときなよ。これまでそうだったんだし、健二はりりが鈍感だと分かってるからさ」



 私は、その後健二をまともに見ることができず、当たり障りのない会話をするという関係が続いた。

「りり? なんか最近俺のこと避けてね?」
「うううん、避けてない」
「……ふうん。まあ、いいけど。それともなんだ、何か悩んでるのか? 徳山のこと?」

 言われて、はっとした。あの後、健二にどう接すればいいかばかり考えて、徳山君のことは頭の隅に追いやられていたからだ。なんて薄情なんだろう。

「……違う。なんでもないよ」

 あくまで、悠香の予測……。
 そう思いたくなってきた。だって、近くにいる健二を意識するのは結構辛い。

 それより。

 最近、元彼のことを思い出す回数が減っていることに驚いた。
 会えない人より、会える人の方が印象が増すのは仕方がないのかもしれない。
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