体育祭(こいまつり)
 体育祭一日目。


 その日はよく晴れていた。九月になって始めてのの土曜日。保護者や、近辺の人々が見学に来ていた。

 始まってすぐに行われたのは男子のタンブリングだった。
 集中力とスタミナを要する競技だから始めに行われるのだ。男子たちは長距離走の練習とともに、このタンブリングの練習を懸命にしていたのを思い出した。
 小学生のときには組み体操をしたのを覚えているが、それとは迫力が全然違う。鍛え抜かれた上半身は彼らの勲章だ。

 男子たちの太い掛け声がグラウンドに響く。
 少人数から、段々と組む人数が増えていく。一つ一つが決まるごとに拍手が贈られた。

 一番の見所は七ピラと呼ばれる七段のピラミット。支える腕が振るえ、苦痛に顔をゆがめ、それでも彼らは七段のピラミットを成功させるために耐える。
 そして、四ブロックのうち、成功したと同時に崩れるブロックが三組だった。残った一組も、何秒かで崩れた。だが、青空に聳え立つ七ピラは本当に見事だった。

「息をするのを忘れちゃうよね」
「うん。健二一番下だったね」
「きつかっただろうね。本当にがんばったよ」

 私は悠香と同じブロックの応援席で隣同士に座りながら、彼らを見ていた。



 それからは、百メートル走や女子の棒引きなどが行われた。七、八月、補習の後に、毎日練習があったが、今日が本番だ。
 二年目の私は一年生だったときの用にがむしゃらに練習はしていなかったけれど、でも、今日はやっぱり必死になっていた。

 棒がどちらに引かれるかなんて、本当にどうでもいいことなんだけれど。それでも裸足の足を棒と垂直にして、頭をからっぽにして引き合っている自分がいた。

 男女が一緒に行う綱引きも白熱した。

 点数が得点版に書かれていく。だが、競技をしているときは点数のためというより、なんだか何もかもを忘れて、没頭していた。
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