天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 父に顧みられることのなかった五年間、そうならなかったのは乳母一家が惜しみない愛情を注ぎ、まっすぐに育ててくれたからだ。

「ディートハリュト殿下、ミリィこっち!」

 いつの間にか、カークとディートハルトは攻守交代していた。

 ディートハルトが追いかける側になっていたから、ミリエラはぴょんぴょん飛び跳ねて、自分の存在を主張する。

 けれど、妙な騎士道精神を発しているのか、自分より小さい女の子を追いかけまわすのは気が引けるのか。ふたりともこちらには来ようとしない。

(まあ、いいですけどねー、大人だから、我慢できますけどねー)

 と心の中でぶつぶつ言っている段階で我慢できていない。最後には拗ねて座り込み、ふたりの男の子が走り回るのをただ、見ていた。

「――エリアス、こっちに来て」

 一人でいるのが苛立たしく、ミリエラはエリアスを呼び出した。エリアスに寄りかかるようにして、ミリエラは息をつく。

「拗ねるな、拗ねるな」

 子ども扱いされるのが、腹立たしいがまあいいかと思い返す。

「あ、エリアスだ」
「……エリアス? ……すごい、大きいな!」

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