天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 カークがぴたりと動きを止めた。つられるように、ディートハルトも足を止める。彼の目が、みるみる大きく丸くなった。

「エリアスは、ミリィの精霊なんだぜ!」
「ミリエラ嬢の? すごいすごい!」

 子供達は、ばたばたとこちらに戻ってきた。初めて会った時の怯えっぷりはどこへやら、カークはエリアスの毛並みをわしゃわしゃとかき回している。

「我は風の精霊王。あがめろ、そして撫でろ」

 ディートハルトの方に向き直ったエリアスは、顎の下を撫でろと要求しているかのように頭全体をそらす。
 こわごわとディートハルトはエリアスに手を伸ばし、再び目を丸くした。

「柔らかい……!」

 今度はエリアスもまざって、鬼ごっこが再開される。
 走り回ってくたびれた頃――ニコラが三人を迎えに来た。お茶の時間だそうだ。

「行こ、カーク。行きましょう、ディートハリュト殿下。エリアスは?」

 先ほどから噛みっぱなしだ。最初のうちはげらげら笑っていたカークももはや突っ込む気力もないらしい。ミリエラももうあきらめた。
 エリアスはゆったりと子供達を先導するように歩いていく。

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