天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 侯爵家は代々錬金術師を輩出してきたし、錬金術師や魔道具師を好待遇で迎えてきた歴史があることから、領地には多数の錬金術師や魔道具師がいる。

 マナを補充するマナ屋も多く集まっているから、ここで暮らす分にはディートハルトも不自由はしないですむだろう。

(それに……この地ならば、王族なのにマナを持たないと、周囲に憐みの目で見られることもないだろうから)

 領地の住民の中には、マナを持たないがゆえにこの地に移住してきた人も多い。グローヴァー領に関していえば、マナを持たない人の割合は、他の地域の倍近い。

「――感謝します、侯爵様」

 振り返れば、ディートハルトの世話係は、深々と頭を下げていた。そんな彼に向かい、ジェラルドは首を横に振る。

「いえ――感謝すべきなのは、私の方かもしれません。娘があんなに笑っているのは、初めて見たような気がします」

 生まれてからずっと会うことのなかった娘。

 冷静になってから考えれば、カークは例外としても、友達のひとりもいないというのは異常な事態なのだ。この屋敷に、あんな風に子供達の笑い声が響いたことがあっただろうか。

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