天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ひとり、取り残された形のミリエラは、ふたりが剣を打ち合わせる高い音が響くのに耳を傾けながら、ふたりの様子をじっと観察していた。

『ミリエラよ』

 不意に、エリアスの声が耳に響く。

 日頃は目に見えないけれど、エリアスは常にミリエラの側にいる。ミリエラはその存在を見ることができるけれど、他の人達には無理だというのがもったいないなと思う。

「どうしたの? 出てくる?」

 ミリエラは手を差し出し、エリアスとの契約の言葉を口にした。とたん、巨大な白い猫がミリエラの前に出没する。

「ずいぶん悩んでいるようだな」

「うん。スライムの魔石って、本当に使い道がないんだよねぇ……」

 もう少し水属性のマナをたくさん込めることができたなら、冷蔵庫の動力源として使うことができたのに。ホワイトビッグベアの魔石よりも安価に入手することができるから、庶民の間にも冷蔵庫がもっと普及すると思う。

「そのままの形で使う必要はないのでは?」

「そのままの形?」

「ああ。マナを注入した魔石は、他の素材と合成することができるだろう。人間の使う魔道具も、そうやって使っているのではなかったか?」

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