天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 そんなミリエラの心を知っているのかいないのか、エリアスは赤い舌を出して、鼻先を舐めた。

「そなたの友人達の様子も、少し見ておきたいのだよ。そなたにとって、害をなす存在になるかもしれないからな」

「それは失礼だと思うな」

 カークにしても、ディートハルトにしても、ミリエラにとっては大切な友人だ。

 だが、ふんと鼻で笑ったエリアスは、ミリエラの頬に舐めたばかりの鼻先を押しつけてきた。エリアスの鼻は少ししめっていて、ひんやりとしている。

「だが、精霊を見ることができる目を持つ者は貴重なのだよ。そなたの友人達が、それを利用しないとは言いきれまい」

「やっぱり、エリアスは失礼だ――でも、その気持ちが少しだけわかる、かも……心配してくれているんだよね」

 人間がどれだけ弱い存在なのか。一度目の人生でも、ミリエラは幾度となく見てきた。

 自分の失敗を他人に押しつけたり、目障りな相手を陥れようとしたり。そんなことを当たり前のように見てきた。

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