天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ミリエラの周囲は、風の精霊達が涼風を運んでくれるから、周囲より数度体感温度が低いのだが、剣を打ち合っていたふたりは別だ。

 受け取ったタオルでごしごしと顔を拭いているふたりを見ながら、ミリエラは考え込む。

 剣の稽古のあとひんやりとしたタオルで汗を拭くことができたら。ものすごくさっぱりするのではないだろうか。

「――決めた! ミリィ、タオル作る!」

 立ち上がり、宣言したミリエラに、ふたりともびっくりしたような目を向けた。

「タオルって、ここにあるのに」

「違う違う、冷たいタオルを作るの!」

 ディートハルトに向かって、指をぶんぶんと振り回す。

 そうだ、冷たいタオルを作ろう。そうすれば、真夏の稽古だって少しは涼しくなるはずだ。水属性を持たせられるのだから、冷たいタオルを作ることができるはずだ。

 採算については考えなくてもいい。まずは、ディートハルトの取ってきてくれる魔石を有効活用したいだけなのだから。

「いいな、それ。騎士団の人達も欲しいと思うぞ」

 カークが賛成してくれたので、ほっとする。カークも欲しいというのなら、やってみるだけの価値はある。

 

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