天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 絹、綿、麻といったよく見る素材だけではない。魔石を加工して作った糸だの、魔物が吐き出す糸だのとそれこそ何十種類もの糸がずらりと並んでいる。

 父は糸を釜につけ、ミリエラが錬金釜にマナを流し込む。そして、糸に溶液が定着したら、引き上げる作業を繰り返す。

(……パパと、仲良しになったみたいで嬉しい)

 父との共同作業の時間を、ミリエラは思いきり堪能した。

 

 そして、さらに数日後。

 ミリエラの元には、様々な糸から作り上げられたタオルが届けられていた。

 一番よくスライムの魔石と馴染んだのは、意外にも綿の糸であった。他の素材だと、どうしてもがさつきが発生してしまう。

「パパ、これじゃ使い物にならないよ……」

 見た目はタオルだが、まったく水を吸い込まない。これでは、汗を拭くことができない。

「――でも」

 往生際悪く、ぺちぺちとタオルの表面を叩きながら考えた。

(水は吸わない、けど……ひんやりはしてる)

 うーん、と考え込む。冷たい布なんて、使い道あるだろうか。

 スライムの魔石をまとったタオルにマナを流すと、ひんやりする。注ぐマナの量はさほど多くはない。
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