天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
タオル一枚分をひんやりとさせるのに必要なのは、魔道具のスイッチを入れる程度のマナ。マナリングを使っている人でも、問題なく冷たくすることはできる。
今日も、ディートハルトとカークが剣を打ち合っているのを眺めながら考えた。どうやったら、これを上手に使えるだろう。
「ミリィ、今日もまだ考えているの?」
稽古を終えたディートハルトが近づいて来た。カークは、ミリエラの側に置いてあったタオルに遠慮なく手を伸ばした。
「おう、これ冷たい! すっごい気持ちいいな!」
畳んだタオルにほおずりしたカークは、歓声をあげた。
「本当だ。これ、首に巻いてもいいかな?」
ディートハルトの方は、畳んだタオルを頬に当て、それから首筋に滑らせた。汗は吸わないが、気持ちはいいらしい。
「首に巻くの?」
「うん。ここを冷やすと涼しくなるって聞いたことがあるから」
「いいよ。それはディーにあげる」
細く折ったタオルを首に巻きつけたディートハルトは満足そうであった。ふぅと息をついて、水を用意されていた水をごくごくと飲み干す。
(……そう言えば、前世でも似たようなものを見たことがあったな)